ハイブリッド犬 |

(ビーグルの黒と子犬たち)
「ハイブリッド」というのは、エンジンと電気モーターの二つの動力で動く車、いわゆるハイブリッドカーの実用化で一般的になった言葉である。
「ハイブリッド」を大辞林でひくと、雑種、混合、混成とある。
実は、3年前にもこのハイブリッド犬を試みたことがある。
今回と同じ系統のビーグル(♀)に、求菩提犬(くぼてけん)のLee(♂)を交配してつくったのである。
そのときは1匹(♀)しか子犬は生まれず、その生まれた子犬にPという名前をつけた。
Pは茶一枚で、耳が垂れていることがただ一つ父親のLeeと異なる外見であった。
猟芸は、咬みに行くことはせず、吠え立てるだけであった。
動画を見ると、Pの一途(いちず)さというか、闘争本能丸出しの吠え立てるファイトに感動さえおぼえる。
ところがPは1歳で急死し、母親のQも相次いで急死したので、わが家の求菩提犬とビーグルのハイブリッド犬は絶えてしまった。
しかし、pもQもはこちらの心の中で今も生きつづけており、今後も生きつづけるであろう。

(子犬のころのP)

(若犬のころのp)

(在りし日のQ)
動画:在りし日のpの猟芸ー1
動画:在りし日のpの猟芸ー2
動画:在りし日のQの猟芸
幸い、昨年この系統のビーグル犬を先方さんのご厚意で、同胎(どうばら)のオスメスの子犬をいただいていた。
夢よもう一度の思いで、今回ふたたびハイブリッド犬の誕生を試みた。
ビーグル特有のよくとおる美声と鼻のよさが子犬に出ればいいなと考えたのである。
今回生まれた6匹の小犬たちも、先輩であるQやPの尊い犠牲の上に成り立っているのだと重く受け止めている。
健(すこ)やかに育ってほしい、と今は願っている。
猟場でイノシシの牙にかかっての玉砕は、格闘犬だけに避けて通れないと今から覚悟を決めている。
猪犬とは、過酷な試練をくぐりぬけた犬のみが本当の猪犬として生存が許される非情の世界である。