レモンの実り |
軒(のき)までのびた木に、ひとつ、ふたつ、かぞえると全部で22個なっている。
なぜか、実は木の下のほうの枝に多い。
これを一つひとつ、丁寧にちぎる。
手にすると、いずれも持ち重りがする果実である。
形は、ラグビーボールに似た楕円形をしている。
表面は、柚子(ゆず)のようにでこぼこがあり、尻のほうには乳頭がついている。
重さは、全部で4.3kgあった。
この木は、もうかれこれ20年ほど前に苗木を買ってきて植えたもの。
実のなる木は楽しみがあっていいだろうと、みかんなど柑橘類(かんきつるい)だけ5,6本植えたのだが、この木だけ残って、ほかはいつのまにか枯れてしまった。
この一本だけは、ここの環境に適したのだろう。
この木にはじめて実がなったとき、それがレモンだとわからなかった。
というのも、レモンはフィリピンなど亜熱帯地方で育つものだとばかり思っていたからである。
それ以来、このレモンの木は律儀に毎年実をつけるようになった。
きょねんも20個ほど実がなったが、そのままにしていたら実が落ちてしまった。
これでは粗末になるので、ことし、はじめてレモンの果樹酒をこしらえてみる。
求菩提山