10年ぶり(?)の大雪 |
朝、起きると、外はいちめんの銀世界となっている。
そして、いまも雪が降っている。
屋根には、5センチほど雪が積もっている。
南国九州でも、ここは北部なので雪が降ることもある。
しかし、このごろは雪が積もることはめったにない。
これも、地球温暖化のせいだろう。
ところが、きょうのようにこれだけ雪が積もるというのは10年ぶり(?)のことだろう。
こちらの雪は、しめった重たい雪だ。
いわゆる、ボタン雪である。
大小の大きさのちがう雪が舞う。
つぎからつぎへと、無数の雪が落ちてくる。
大きいのは、直径3センチほどもある。
その大きなボタン雪が、小さな雪といっしょになって降ってくる。
母屋(おもや)の軒(のき)の下は、雪の踊り場だ。
降ってきたボタン雪が、一瞬とまる。
溜(ため)をして、一気に落ちるもの。
他の雪と交差しながら舞い落ちるもの。
ゆらゆらと舞いながら落ちるもの。
すーと落ちるものがある。
洗濯竿の上に、雪が積もっている。
その竿は元々曲がっているのだが、きょうは雪の重さで曲がったようにみえる。
雪国では、小学校の運動場の鉄棒が積もった雪のため曲がるという南国育ちには信じがたいような話をきいたことがある。
雪の朝は、いっさいの汚れをそぎ落として目にまぶしい銀世界となっている。
雪より白いものが、ほかにあるだろうか?
年越しの冬将軍は、日本列島の上空に居座り、三が日まで猛威をふるうらしい。
年末から咲きはじめたスイセンの花が、きょうは雪をかぶっている。
その凛(りん)とた姿が、美しい。
冬は、本来こうなければ緊張感というものがない。
きょうは大晦日(おおみそか)、音もなくいまも雪が降っている。
この雪が、この世の悪、醜悪(しゅうあく)、いつわりなどもろもろを消し去る。
いわば、リセットしてくれる。
そして、新しい年の夜明けが待っている。
求菩提山