炭焼窯の手伝い |
この窯師、16のときから父親に連れられて山に入り、伐採、山出しの仕事をしてきている。
炭釜を築くにいたっては、これまで30余窯ついている筋金入りの剛の者である。
10数年前まで、宮崎のほうで山の仕事一筋を生業(なりわい)にしてきた。
ところが、台風17号という大型台風でこちらの方の山々の木が倒れた際、その倒木の切り出しの仕事のためこちらに来て以来、こちらに住み着いている。
できあがった炭窯のなかに、蒸し焼きにされて木炭となる木を立ててならべる。
このとき、すき間なくならべる。
その上に、こんどは木を横にしてならべ、このときもすき間なく置く。
さらに、その上に短く切った木をならべる。
中央部をだんだん高くしていく。
ちょうど、土まんじゅうのようになった。
半円形のドームにすると天井が落ちないという。
最後に、古むしろをかぶせる。
あすは、この上に粘土をかぶせていく。
求菩提山