イノシシの激減 |
それだけイノシシの生息数が少なくなったことがわかる。
その原因を考えると、ひとつは箱罠でウリ坊まで獲り尽くしてしまうこと、それにワイヤーメッシュが張りめぐらされてイノシシの行動が制限されていることが挙げられよう。
イノシシが害獣に指定されている以上、イノシシが激減するのはやむを得ないことである。
農家も自衛のため箱罠でイノシシを獲ることを批難することもできない。
しかし、太古から綿々と引き継がれてきた日本犬を使っての狩猟文化がここで途絶えてしまうこともやむを得ないことなのだろうか。
世界的にも優秀な猟系の日本犬が、現実に減ってきている。
このままの趨勢(すうせい)では、いずれ近いうちに大物猟に使える日本犬もイノシシの絶滅とともに絶えてしまうだろう。
一旦絶滅したら、ふたたび生き返らせることができないのは、ニホンオオカミの例を挙げるまでもない。
イノシシと害獣として地球上から駆逐してしまうのは、人間の傲慢さ、エゴというものであろう。
イノシシにも生きる権利、子孫をのこす権利がありはしないかと考えてしまう。
この動物と人間との共生する道はないのかと、いつも自問自答している。