求菩提犬初代先犬Leeの新技? 「崖落とし」 |
(墜落死したメスイノシシ、脂ののり:25ミリ)
猪犬:求菩提犬初代先犬のLee、二代目先犬の黒
獲物:65㎏のメスイノシシ
ひさしぶりに自宅から近い猟場をまわったが、獲物が歩いた足痕さえない。
獲物をあらかたとりつくし、猪肉という資源は枯渇したようだ。
そこで、きょうから新しい猟場を開拓する段階に入る。
自宅から2時間走った場所についた。
ここは、マテガシの原生林がある。
このマテガシの実はイノシシの好物であり、この実を食べると脂ののりがよくなる。
一歩山に入ると、ここは傾斜がきつい山である。
マテガシとアオキとカズラが生えている。
ところどころ、イノシシがクズの根を掘った跡がある。
いきなり、右手のほうで黒が吠え出した。
イノシシを起こしたのである。
その吠え声を聞いたLeeが、黒の吠え声の方へダッシュしていった。
犬のからみ声が、下の方へ走っていく。
獲物が真下へ走るので、これは犬が追い止めるパターンである。
こちらは、傾斜がきついため走って降りられない。
Leeが、山の中服を輪切り状に走る道路まで追っていった。
ところが、途中で黒はまかれたようだ。
こちらは車をとめた場所まで降り、車でLeeの場所まで駆けつける。
すると、イノシシが道路上に倒れていた。
口から桃色の泡を吹いているので、肺の損傷であることがわかる。
すでに、こときれている。
とりあえず、頸動脈をさして血を抜く。
Leeは、道路といっても道路の法面(のり)の上にいる。
その法面は山を削ってできた崖で、崩れないようにセメントを吹き付けている。
地図では、3~4メートルの距離だと高低が表れない。
その法面に、イノシシの爪の擦過痕が4ヶ所残っている。
イノシシが頭を下向きか上向きかわからないが、すべっていることがわかる。
Leeに追い詰められて、この急な崖を自ら降りたのか足を滑らせて落ちたのであろう。
Leeは、相手がメスイノシシだと最終的には咬みにいく。
もし咬んでいたなら、犬もろとも墜落していただろう。
そう思うと、ゾッーとする。
車をとめた場所に戻ると、黒が戻っていた。
左のももの外側を切られているが、皮一枚の深さの浅手(あさで)である。
最近手に入れたばかりの医療用ホッチキスで傷の手当をし、作戦終了とする。
動画:初代先犬「Lee」の猟芸
動画:二代目先犬「黒」の猟芸
百聞は一見にしかず:秘犬・求菩提犬(くぼてけん)の仕事ぶりを動画で見る