「1銃1狗(いちじゅういっく)」 とは |
この月刊誌は、平成8年の途中から休刊になり、現在も休刊中で、事実上廃刊である。
本の中で、イノシシ猟や猪犬のところだけをえらんで読む。
この本に寄稿している常連の猟師でも、「単独猟」を標榜(ひょうぼう)しながら本に書かれた内容を読むかぎりひとりではないようだ。
2,3人のグループ猟でやっている。
したがって、それは単独猟とはいえまい。
なぜなら、単独猟とは文字どおりハンターはひとりで使う犬も一匹、他人を頼らずにやる猟をさすことばだからである。
さらに、2匹の成犬を使いながら、堂々と「1銃1狗の単独猟にこだわる」と書いている投稿もあってあきれさせられた。
この「1銃1狗」の「1銃」とはハンターはひとり、つまり単独で、犬も一匹だけを使う場合をいう。
むかしから猟師はいずれも貧しく、複数の犬を飼えばそれだけ経済的負担が大きくなるので1匹しか飼えなかったという事情がある。
ちなみに「1銃1狗」の「狗」は、音読みでイヌと読む。
現在では、この伝統の「1銃1狗」の猟師をまったく見かけないようになった。
つい40年ほど前まで、博多の猟師がビーグルのような小さな犬で単独猟をやっていたのを思い出す。
このあたりでは、それが最後の「1銃1狗」の猟師であった。
「1狗」でやらないのはそれだけ猟師でも生活が裕福になったのか? それとも一匹でイノシシを獲らせることができる犬がいなくなったのか? おそらく両方であろう。
現在によみがえった求菩提犬(くぼてけん)の猟芸