Qの発情 |
9ヶ月齢になるメス犬のQに、発情がきた。
これは最初の発情なので、これは飛ばした方がメス犬の発育のためにはいいのだろう。
したがって本来なら交配を控えるのだが、Qのつぎの発情までオスの先犬・Leeの命が持つかどうかわからない。
というのは、先犬は種犬でもあるが、ことしの5月に2歳になったばかりの現役犬であるため、猟に使っている夢職庵の看板犬である。
猪犬はどこでもいっしょのことだが、いつ命を落とすかわからない。
しかも猪との格闘犬である以上、仕事をする犬ほどそれは避けることも変えることもできない運命である。
したがって、Qの次回の発情まで先犬の命の保証はまったくないといえる。
そこで後悔しないため、今回Qとの交配を試(こころ)みて直子をとっておく。
先犬LeeをQのところへ連れていく。
先犬は、Qの陰部をかぐ。
やるきが出たとみえ、うしろから乗っかかる。
しかし、穂先が届かない。
Qの体高は42cmであるのに対し先犬の体高は56cmあり、その差が14cmもある。
パンの空箱をもってきてそれを裏返しにして置き、その上にQを乗せる。
しかし、先犬の後ろ足もそれに乗るので上げ底の効果はない。
そこで、Qの腹の下に手を差し入れてQの体を持ち上げようとすると、先犬が降りてしまう。
朝から交配を試みているのに、何回やっても届かない。
一日がかりのため、さすがの先犬もあせり、いささかくたびれた様子だ。
オスはどうしても先犬でないと、せっかく格闘系ビーグルのメスを夢職庵に導入した意味がない。
なかば諦(あきら)めかけた夕方、やっと交尾に成功した。
動画:単独猟の実際
猪猟ガイド承(うけたまわ)ります
現在によみがえった求菩提犬(くぼてけん)の猟芸