蛍(ほたる) |
蛍は明滅をくりかえしながら、ゆ~らゆらと舞ってきて軒下にとまった。
これが、ことしの蛍の初見となる。
田んぼの向こうの小川のあたりに眼を凝らすが、蛍の飛び交う明かりはみえない。
まだ蛍の最盛期には、早すぎるようだ。
昨年は夏が猛暑で、この冬は寒くて長かった。
それなのに、ネギ坊主のできるこの時期、蛍は律儀に姿をみせてくれる。
蛍の最盛期には、近くの小川の中洲に生えた草むらで蛍合戦がみられる。
数十匹の蛍が、川面(かわも)で乱舞する。
明滅させるのは、求愛のひかりを放っているのである。
恋に身をこがす蛍に、わが身を重ねてみる向きも多かろう。
「草むらの中の蛍をとるな」、とよく母から言われた。
マムシの眼は光るので、蛍とまちがえることをいましめたのだ。
母が麦のストローで編(あん)でくれた蛍かごに、とってきた蛍を入れた子どものころを思い出す。
その母も、黄泉(よみ)の国へ旅立って久しい。
蛍(ほたる)
♫蛍(ほたる)のやどは川ばた楊(やなぎ)
楊おぼろに夕やみ寄せて
川のメダカが夢見るころは
ほ、ほ、ほたるが灯をともす
川風そよぐ、楊もそよぐ
そよぐ楊に蛍がゆれて
山の三日月隠れるころは
ほ、ほ、ほたるが飛んで出る
川原のおもは五月(さつき)の闇夜(やみよ)
かなたこなたに友よび集(つど)い
むれて蛍の大まり小まり
ほ、ほ、ほたるが飛んで行く
動画:単独猟の実猟
猪猟ガイド承(うけたまわ)ります
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