チドリ(千鳥)-1 |
犬を原っぱで遊ばせていた。
チドリが、原っぱの上を飛びまわっている。
チドリのヒナが生まれているので警戒しているのだろう。
そこで、原っぱの中にある草の生えていないところをさがす。
15畳ほどに広さのバラスをまいたところがある。
あそこだ。
ヒナを踏みつぶさないように慎重に歩く。
いた! 3羽のヒナがじっとしている。
バラスと同じ系統の色で完全な保護色になっている。
犬がヒナを食べないように、犬を遠ざける。
3羽のヒナはまだ産毛(うぶげ)で、全く動かない。
うつぶせのまま不動の姿勢でいる。
チドリの親は、ヒナが蛇(へび)などに狙われると親鳥はケガをしたように装って敵の注意をひきつける。
蛇などは、千鳥がケガをしていると思い、その親鳥を追っていく。
そうやって親鳥は、ヒナから天敵を遠ざける。
車の中から、千鳥を観察する。
親が降りてきて、ヒナに口移しにエサを与える。
エサを食べたヒナたちは、思い思いにそこら中を歩き回る。
ヒナは、「ツツー」と走っては立ち止まり、エサをついばんではまた「ツツー」と走る。
「千鳥足」というイメージとは裏腹に、その動きは野生特有のすばっこさである。
しかし、動き回るのは親鳥がそばにいるときだけであろう。
親鳥がいないときに動き回れば上空から狙うタカ、カラスに見つかり、その餌食(えじき)になるからである。
したがって、ヒナが動き回るのは親鳥が戻っているときだけで、親鳥の留守の間はきょうのように小石の間にうつぶせの状態でじっと動かずにいて、まわりの景色に溶け込む。
図鑑で調べたら、このチドリの正式名称は、「シロチドリ」か「コチドリ」のいずれかであろが今のところ断定はできない。
黒色の帯が首を一周しているのが「コチドリ」で、「シロチドリ」の方は首の前で黒い帯が切れている、とある。