そろそろ冥府(めいふ)への旅支度(したく) |
若いころ情熱を燃やした山登り、沢登り、ハンティングの道具もそのひとつだ。
そのなかでも山登りには、いろいろな道具が要(い)った。
山で食事をつくるのに必要になったのは、ガソリンを燃料とするストーブである。
「ブス」という愛称で呼ばれるホエーブス725、ホエーブス625というストーブがあった。
これは、オーストリアが世界に誇る山岳用ストーブである。
当時、ガソリンストーブに火をつけるにはプレヒートといって気化器をあたためる必要があった。
火をつけるためには、このプレヒートという工程を踏む。
愚直にこの工程を踏むのが、山男たちの「儀式」でもあった。
ところが、このプレヒートを必要としない画期的なストーブが開発された。
それが、コールマンの「peak1」というストーブである。
それゆえ、peak1はストーブの「名機」とよばれるようになった。
このようにひとつひとつの道具に、若いころの思い出が詰まっている。
しかし、そろそろ冥府(めいふ)への旅路の支度をはじめなけれならない。
そうでないと、そう遠くない日に、残された息子たちに迷惑をかけることになる。
親父め、くだらないものをたくさん集めやがってと、いわれるのが落ちだ。
そこで、これらの道具を思い切って処分することにする。
身辺整理作戦に突入する。
ブログは、当分お休みだ。
原風景を求めてオートバイの旅