茹(ゆ)で釜の蓋(ふた) |
田んぼも畑も真っ白だ。
今も、雪が降っている。
その雪が、牡丹雪(ぼたんゆき)に変わった。
牡丹雪は、ゆっくりと降る。
軒下(のきした)で、地面に降りるのをためらうようにふんわりと降る。
風が吹くと、横に流される。
それを、手のひらで受けとめる。
直径が1センチもある。
雪は手のひらで、はかなく消える。
庭木の枝にも、雪が積もっている。
枝の下側は、黒い肌。
そのコントラストが、いっそういなかの静けさをかもしだす。
石燈篭(いしとうろう)や植木に積もった雪を見ながらの酒は、ことにうまい。
そのときの酒は、熱燗(あつかん)にかぎる。
コップに並々にそそぐ。
こぼれないように、コップはテーブルに置いたまま口の方を持っていく。
しかし、朝から呑むわけには行かない。
あすは、「夢職庵ひろば」の反省会をするからだ。
そのとき、そばを打ってそれをみなさんに食べてもらう。
そのための準備をはじめる。
今回、新たに茹(ゆ)で釜を買った。
今までは、羽釜(はがま)を使ってそばを茹でていた。
羽釜は湯の量が多くていいのだが、口がせまくて使い勝手がわるい。
そこで、そば専用の茹で釜を求めたのである。
これは、アルミ製で軽く、直径が55センチと口がひろい。
ところが、蓋(ふた)がついていない。
そこで、蓋をつくる。
コンパネを切って、取っ手をつければできあがりだ。
原風景を求めてオートバイの旅