浮羽(うきは)の田籠(たごもり) |
重文・平川家住宅
くど造りの前型の母屋(おもや)
船底天井
土蔵
中村の集落
旧村長邸
浮羽の田籠(たごもり)をおとずれた。
田籠集落は、川をはさんだ対岸にあった。
ここは福岡県下は今では珍しく、茅葺(かやぶ)きの民家が残っている集落である。
そのほとんどがトタンをかぶせているが、なかには茅葺きそのももの屋根があった。
さがせば、まだまだかやぶきの民家は残っているようである。
国の重要文化財に指定されている平川住宅は、くど造りの前型である。
このくど造りの前型後型というのは、上空から見るとコの字型でその向きの凹部が表になっているのを前型といい、これとは逆のものを後型とよんでいる。
つまり、谷にある樋が表側にあるのが前型、裏側にあるのを後型と呼んでいる。
佐賀県の佐賀平野で多くみられるくど造りは、そのほとんどが前型である。
その母屋の左となりに、納屋が建っている。
納屋は、寄せ棟造りである。
前型のくど造りと寄せ棟の納屋がならんでいるので、表からみると3棟の寄せ棟のかやぶき屋根の家が並んで建っているように見えるから、おもしろい。
間取りは田の字型で、座敷は平書院からなっている。
中の間と座敷の天井は、丸のままの竹棹(たけさお)を敷き詰めた船底天井になっていて、竹が飴(あめ)色に変色していて趣(おもむき)のある風情となっている。
炊事場には、中央に「くど」とよばれる竈(かまど)が据えられていて、むかしの生活がしのばれる。
求菩提山