ナイフサックの手づくり |
ドイルのゾーリンゲンナイフのサックの部分が、経年劣化してきた。
革の硬化により、ヒビ割れが目立つようになっている。
このナイフは刃渡り6寸(18㎝)と小ぶりだが、つくりが頑丈にできている。
そのうえ柄(つか)は大柄の鹿の角(つの)で仕上げており、そのため握ったときの具合が手にしっくりくる。
イノシシを刺すには刃渡りが短いのがこのナイフの欠点だが、この手のナイフにはこれ以上の長い刃は見つからないようだ。
いままで使っていた剣鉈は、島根県安来で採れた安来鋼(やすきはがね)でつくられた火造りのもので、この6年間愛用してきた。
ところがこれは重さが1㎏を超えるもので、こちらの高齢化にともなって体力的に負担を感じるようになった。
そこで秘蔵していた、この小型の洋ナイフの登板となった。
このナイフのサックは、刃にいきなり革をかぶせたもの。
転倒したときなど、刃が鞘(さや)の革を突き破って自分の腹に突き刺さるおそれがある。
そこで、安全を期してサックの中に木製の鞘を入れ込むことにする。
この鞘をつくる作業は、知り合いの大工さんに頼んだ。
鞘ができあがってきた。
さすがに若いころ、ナイフ職人のところへ通って勉強しただけのことはある。
つぎに、新しい革を買ってきて、鞘の型紙をとる。
鉛筆の線にそって革を裁断する。
二本針を使い、蝋(ろう)引き糸で縫い合わせる。
これにベルト通しをつけ、さらにナイフ落失防止のためのスナップホックをつければでき上がりだ。