野アユ |
彼岸花が咲き、その最盛期になるころ、この地では野アユの食べごろとなる。
メスの腹に、うす黄色の卵が詰まるからである。
体長を計ってみると、8寸から9寸の大きさまで成長している。
この辺りでは、さすがに尺物(しゃくもの)はいないようだ。
アユにとって、この時期は産卵の準備前となる。
これから一雨降るごとに、産卵場所である河口に向かって群れて下っていく。
そのため、「落ちアユ」と呼ばれる
産卵を終えるとアユは生涯を終える、はかない一年の命のため「年魚」ともいわれ、スイカの香りがするため「香魚」とも呼ばれている。