マムシの捕獲 |
山道を歩いていて、路(みち)にマムシが横たわっているのを見つけた。
そばには雨上がりのため、ちいさな川となって水が流れている。
冬眠からさめて出てきたのであろう。
マムシとどうしてわかるかって?
黒色もなく、赤色の斑点もない。
その独特な蛇紋と短めの尻尾から、マムシを捕獲した者なら一目でそれとわかる。
急いで棒切れをさがす。
適当な枯れ木が見つかった。
それで、マムシの後ろ首を上から押さえる。
マムシは、口をいっぱいに開けた。
腰の剣鉈で、上あごの牙をふたつとも切り落とした。
これでマムシから咬まれる心配はなくなった。
指で首をつまんでぶら下げる。
マムシは観念したようで、暴れることもない。
冬眠からさめてまだ元気がないのかもしれない。
これを一升瓶に入れ、水を半分ほど入れる。
10日もすると、腹の中のオリで瓶の水が濁らなくなる。
後は水を抜いて焼酎を入れて寝かせると、マムシ酒ができる。
もっともマムシ酒の効能は、強精剤としてむかしから知られている。
効能はこれだけではなく、できもの、腫れ物の根の吸出しにも効果があるとして民間療法として使われてきた。
マダニに咬まれたときや、スズメバチに刺されたときなどマムシ酒をつけて刷り込むようにしている。