きのうの失中、Leeの登板でケリ |
(鉄塔の下で捕獲にイノシシ)
(11月の初めなのに、もうタケノコを食べている)
猪犬:求菩提犬(くぼてけん)初代先犬のLee(♂)、その直子の赤(1歳3か月齢の♀)
獲物:45㎏の♀イノシシ
昨日、こちらの失中という不手際でイノシシの捕獲に失敗した。
そこで、夢職庵(むしょくあん)の切り札である求菩提犬(くぼてけん)初代先犬のLee(♂)を投入する。
このLeeで獲れないイノシシはまずいない、といっても過言ではない。
きのうのイノシシは、子連れであった。
子イノシシは、数分後に戻ってきて親が逃げた方向へ走って行った。
それは、親が逃げた方向の大尾根の方である。
その後、子イノシシは親イノシシにめぐりあっていることだろう。
そこで、この親子の逃げた先の寝屋を推し量(おしはか)る。
親子とも奥山方向へ逃げたので、ゆうべの寝屋は奥山の方だろう。
そこで、大方の見当をつけてその奥山からLeeと、その直子でここのところ成長いちじるしい「赤」を入れる。
赤は仕込み中の若犬で、吠え声が大きいところが気に入って手元に残した犬で、将来有望とみている。
尾根を歩いていると、先を行っていた赤が左手の斜面を走って下って行った。
急なその走り方からして、獲物の匂いをかぎとったようだ。
その斜面の下の方で、Leeが吠え声がした。
Leeの、イノシシに対する宣戦布告である。
すると、戻ってきて尾根を走っていた赤もこのイノシシの臭いをとって左の斜面を下ったようである。
赤の吠え声もする。
犬の吠え声のする方向へ下りかけたら、犬たちの吠え声がさらに奥山の方向へ移動する。
ということは、イノシシが逃げている。
したがって、獲物は小物のイノシシであるとわかった。
そこで、もう一度尾根まで上がり、そこから尾根道を奥山の方向へむかう。
Leeが、ここから396メートル先の地点でイノシシを追い止めている。
赤も、Leeといっしょである。
尾根道を急ぐ。
Leeが出撃しているので、イノシシが逃げても先の方でイノシシを追い止めるのはいつものことである。
尾根にある高圧線の鉄塔のところまできたとき、赤が下のスズタケの中から飛び出てきた。
まかれたか?
ところが近くでLeeの吠え声がして、その鉄塔のすぐ下のスズタケの穂先がはげしくゆれる。
ここで止めているのか?
赤も、そこへ入って行った。
赤の悲鳴が聞こえる。
やられたか?
もう一刻の猶予もならない。
こちらも、密生したスズタケをかき分けながら中に入る。
Leeと赤の2メートル先に、黒いイノシシがいる。
イノシシは全力疾走で400メートルほど走ったので息が上がったのか、それとも身動きできないほど密生したスズタケのためか動かない。
どちらが頭かわからないが。左側が頭と見当をつけて、引き金を引く。
当たり所が悪かったようで、イノシシが下へ逃げようとしてスズタケの中でもがく。
そこを2匹が咬みついた。
犬が離れるのを待って、イノシシの鼻先に筒をつけて直付(じか)け撃ちして作戦終了だ。
はたしてこのイノシシが、きのうのイノシシと同じものであるかどうかはわからない。
しかし、イノシシの大きさといい、きのうのイノシシが逃げた方向にきょうのイノシシの寝屋があったこと、さらにイノシシの生息数の少ないわが家の近郊の猟場であることから判断して、きのうのイノシシである確率は高いといえる。