夢職庵(むしょくあん)猪犬列伝-250409 |
(ロッキー、オス、8ヶ月齢)
(黒、オス、2歳9ヶ月)
(Lee、オス、3歳11ヶ月)
わが家の犬は、昨年同期とくらべると、生き残ったのは上から2番目の黒と3番目のLeeの2匹だけである。
このシーズンも、シーズン半ばに三本足のUがイノシシとの闘いで負傷した。
三本足のUは、横隔膜が破れているのを見落とした医者の未熟さのため命をとられた。
そのため、それまでの攻撃システムを急遽(きゅうきょ)残った2匹によるツートップに切り変えた。
1番目の「ロッキー」を、シーズン後半の年が明けてから見習いとして1匹ずつ実戦に加えた。
ローキーというオスの子犬は、一胎(ひとはら)のうち唯一のオスのため残したもので、シーズン中にイノシシに捕まって殺されかけた。
奇跡的に右の前足と尻尾を折られただけで助かったが、そのときの恐怖心がトラウマとなって残っているようで、それを克服できるかどうかが淘汰(とうた)の分かれ目となる。
2番目の黒は、昨シーズンのはじめから猟芸の進歩にいちじるしい飛躍がみられ、単犬で追い止めができるまでに成長し求菩提犬(くぼてけん)二代目先犬を継(つ)いだ。
求菩提犬初代先犬・Leeの直子であり、YouTube に出演の常連犬となっている。
ふもとの畑の端まで追い落とした最終段階で逃げられることがある、つまり詰めに甘さが認められるものの、起こしの点だけでいえば初代先犬を超えている。
黒の最大の功績は、父親のLeeが単独猟の猪犬としての強い遺伝子を持った犬であることを求菩提犬大分県支部のK(オス、2歳)とともに証明をしたことである。
すなわち、2匹の直子が単犬で猪犬として十分な止め芸を発揮することにより、求菩提犬(くぼてけん)の遺伝子が強く受け継がれたことを証明したのである。
その模様をYouTubeで公開したところ、ひろく全国の大物猟師たちの知るところとなった。
3番目のLeeは、わが家の求菩提犬の祖犬で、これもYouTube に出演の常連犬であるのでご存じの方もいるだろう。
ただ、獲物の頸動脈を刺して獲物が動かなくなると、友犬が近づけばこれを組み伏せ、引き出しの応援の人はもとより主人のこちらにさえ吠えかかる気性のはげしさが玉に瑕(きず)である。
しばらくすると、元のLeeに戻るのでそれまでイノシシを引き出すのを控えている。