車のバッテリーで動かすウインチの導入 |
このシーズンに猟場で知り合ったハンターは、軽トラに電動ウインチを取り付けていた。
軽トラの荷台の下にある車載のバッテリーに直結するもので、そのケーブルの中間にある黄色のリモコンスイッチで操作するものである。
ちょうど道路下の谷間で獲物がとれたので、そのウインチで引っ張りあげてもらった。
ワイヤーの部分がすべてウインチで巻き取られると、その時点でウインチを逆回転させてワイヤーを伸ばし、こちらはワイヤーの先のフックに獲物をかけるだけである。
なるほど、これは楽チンである。
獲物を谷から人力で引っ張りあげるとなると、それは重労働となり、まして単独猟となるとお手上げである。
これもこのシーズンのことだが、100㎏の獲物がとれたとき電話で友だちに連絡し、引っ張り出しを手伝ってもらった。
それでもふたりで4時間もかかってしまうロングルートで、へとへとに疲れ果ててしまった。
こちらは単独猟のため、獲物を引き上げることのないようにいつも道路から上側の山に入るようにしている。
しかし、獲物が下向きに走って逃げ、駐車している軽トラの道路を横切って道路より低いところで捕獲する場合もちきにはある。
このような場合に活躍するのが、外国製のエンジン付きのポータブルウインチである。
今は製造中止になったそうだが、ときどきオークションには出るという。
しかし、これは15万円もする高価なものであり、こちらにはとても手が出せる代物(しろもの)ではない。
そこで、軽トラの車載バッテリに直結させて作動させることができるこのウインチを購入した。
試験的に重量物を引っ張ってみたら、具合がいい。
いわゆるポータブルウインチとなるので軽トラのバッテリーの近くであればどこへでも運ぶことができ、ガードレールや立木の幹に支点をとることができる。
もっとも、倒した獲物の上側に軽トラが通れるだけの道路があることが前提となるという場所的な制約がある。
獲物が林道より遠い場合は、ワイヤーの先端にロープをつないで延長することもできる。
しかし、リモコンを操作するこちらの他に、もう一人引っ張られる獲物が立ち木などに引っかからないようにさばく人も要(い)る。
もっとも、ワイヤーの長さを短くすれば、ひとりでも操作はできよう。
リモコンのケーブルが車載のバッテリーに届く範囲内でしか使えないが、この欠点を補うために無線で操作できるリモコンも市販されている。
無線リモコンの電波の届く範囲も、実際に山でためしてみたい。
どこにでも運べるエンジン付きウインチとくらべると使い勝手は必ずしもよいとは言えないが、メンテナンスがほとんどかからないので機械音痴のこちらにとってはありがたい。
ところで、新品のバッテリー単体だけでどのくらいの時間稼働するのだろう。
100メートルも引き上げてくれればOKなのだが。