清原神事-おのぼり |
動画:清原神事110409-1
動画:清原神事110409-2
求菩提(くぼて)の里に本格的な春を告げる清原神事(せいばるしんじ)が、きょうとあすの2日間ある。
東北大震災のため一時は中止も考えられたが、祝儀の一部を義援金として送ることを取り決め、例年通り行なわれることになった。
初日のきょうはお旅所までのおのぼりである。
そろいの法被(はっぴ)をきた男衆たちがあつまる。
背中には嘯吹(うそぶき)神社の紋所である三つ巴が染め抜かれている。
いつもなら散っているサクラも、ことしはいつまでも寒かったのでそれだけ開花が遅れ、いまが万朶(ばんだ)のサクラと咲き誇っている。
この祭りは、五穀豊穣、家内安全を祈願してお神輿(みこし)と傘鉾(かさぼこ)が巡行するものである。
神社の縁起によると、江戸のむかしから行なわれているようだ。
行程は、神社を出て各部落が建てた6個の注連縄(しめなわ)をめぐって、途中の須佐神社での祭典を経て4.2km先のお旅所までである。
お神輿が2基、傘鉾が3基、それに子ども神輿一基である。
この神事は年間を通じてこの里の最大の行事で、神社を中心に氏子という村落共同体をつくることによって連帯感と結束をかためるとともに単調な農村の生活にアクセントをつける先人たちの生活の知恵であろう。
お神輿には、曳(ひ)き神輿と担(かつ)ぎ神輿があるが、ここの場合担(かつ)ぎ神輿である。
傘鉾の膜には、太閤秀吉、加藤清正などの武将が綿を布地で包んで立体感を出す押し絵細工と刺繍(ししゅう)で描かれている年代ものである。
こちらが子どもの時分は舞台のついた「踊り屋台」が引かれ、その上で踊りが披露されていたが、現在はなくなっている。
お旅所につくころは、日も暮れて闇がせまる。
お神輿に明かりがともされ、幻想的なふんいきになる。
お宮の境内は、屋台も出てお祭り気分を盛り上げている。
ここがおのぼりの最大の見せ場で、男たちがお神輿の担ぎ棒を腰の位置に抱き、神輿の底辺の中心点を軸にしてその場で右回りに走る。
それも全力疾走でだ。
闇に浮かんだお神輿が、巨大な独楽(こま)のようにその場できりもみしながら回る。
お神輿の回転より早く走らねば、担ぎ手は遠心力で外にはじき飛ばされてしまう。
♪豊前合河 合原の (ヨイヨイ)
春の清原 さくら花
花見の酒の 勢いで
口説(くど)き口説いた いまの嬶(かかあ) (サノヨイヨイ)
豊前名物 清原神事 (ヨイヨイ)
老いも若きも 胸躍る
神輿かついだ うちの夫(ひと)
汗の横顔 惚(ほ)れなおす (サノヨイヨイ)
動画 : 実猟
現在によみがえった求菩提犬(くぼてけん)の猟芸